1月1日、新年の幕開けとともに自治委員会の磯田航太郎議長兼会長がTwitterを通じて新年の辞と題した演説音声を公開した。

 音声の中で磯田氏は、「新宿山吹高校公安委員会」と称するTwitterアカウントによる山吹生Twitterの監視・摘発に対して、山吹生たちが自主的に立ち上がり同アカウントを閉鎖に追い込んだことを高く評価した上で、現在古き良き山吹の自由が失われ、校民の自由が奪われつつあると指摘し、これに対抗するために新宿山吹高校自治委員会を設立したと語った。

 また、磯田氏は山吹の自由が失われていることに関して、今年度文部科学省が都立新宿山吹高校をSPH(Super Professional Highschool)に指定したことを機に新宿山吹高校当局が「全日高校化」の動きを強めていることに関連していると指摘した。

 最後に磯田氏は校民に対して次のように呼び掛け、演説を締めくくった。

「自治委員が活動するだけでは、自由も自治も勝ち取れません。私たちは校民の代表でしかありません。校民の皆様一人一人が、自分の権利を意識し、行使し、行動していくことが大事です。 遠慮せず、いえ遠慮は敵です。 自分の主張、企画、提案、ありとあらゆる議案を審議していきますので、どしどし意見を言ってください。どんどん議論をしていきましょう。 小さなところで物を言えなければ社会は変わりません。勇気を持って行動してください。勇気を持って声を上げてください。 ともに声を上げ行動していきましょう。」



磯田航太郎・自治委員会議長兼会長「新年の辞」全文

新宿山吹高校校民の皆さん。明けましておめでとうございます。新宿山吹高校自治委員会議長兼会長の磯田航太郎です。

昨年11月、突如として現れた新宿山吹高校公安委員会。そして激しく行われた言論弾圧。私たち山吹生は怒りに震え、公安委員会の正体を特定し、排除すべく校民有志が立ち上がりました。これは山吹史上初めてのことではないでしょうか。自由を守るために市民が立ち上がり、自主的に闘う。素晴らしい自治のあり方です。

私たち自治委員会は、これらの流れを受け、昨年12月1日に正式に発足しました。
なぜ自治委員会を結成したのか、それはひとえに、今、古き良き山吹の自由が失われ、校民の自由が奪われつつあるからに他なりません。
今年、文部科学省は都立新宿山吹高校をSPH、スーパープロフェッショナルハイスクールに指定しました。
これを機に新宿山吹高校当局は全日化の動きを強めています。全日化とはすなわち、山吹が普通の全日制高校のような規則に縛られ、教員に干渉される自由のない学校になっていくということです。
本来、新宿山吹高校は不登校・病気・障害で中学校に登校することができなかった生徒や、高校を中退した者を救済するために1991年に作られた実験高校、昼夜間定時制単位制高校です。
新宿山吹の特徴、これは消極的自由、教員による不干渉の徹底というものです。
しかし昨今、今まで新宿山吹高校の特色として守られてきたものが一気に破壊されつつあります。

おととしは、入試の内申比率が20:3から7:3に改悪されました。新宿山吹高校が本来ターゲットとすべき層の救済は放棄され、不登校児から希望は奪われました。
また、梶山隆統括校長をはじめとして管理職は授業前にラウンジを巡回して授業への参加を呼びかけ、校内新聞への検閲や発行妨害が行いました。
昨年はSPH指定で情報科教職員が浮かれ、全日化に向けた動きが加速しました。また、私、磯田航太郎への言論弾圧は非常に苛烈なものでした。滝口主幹教諭や藤田豊副校長の暴力的、恫喝的弾圧の姿勢はまさに管理教育的であり、新宿山吹高校の校風に合致するものではありません。

約20年前、新宿山吹高校に通学していた人から自治委員会のスタッフにメッセージが届きました。この方曰く、20年前の山吹ではラウンジでビラ撒きする共産党員の生徒が普通にいたそうです。教職員も特に気に留めず、放任していたそうです。
これが新宿山吹高校の元々の校風です。
しかし今年の文化祭、しかも敷地外の公道上で行われたビラ撒きに、新宿山吹高校当局、梶山隆統括校長は警察権力の介入を要請しました。結局警察権力も「こんなことで通報するな」とすぐに帰ってしまいました。

学校当局は、新宿山吹高校の特色ある校風、多様性ある生徒、これらを奪っていいのでしょうか。新宿山吹高校の古き良き自由を今こそ取り戻さなくてはいけません。自由は戦ってこそ得られるのです。同調圧力に負け、黙っていては奪われ搾取され続けるのです。声を上げましょう!闘いましょう!

昨年12月1日の発足以来、自治委員会の活動は順調に進捗しています。自治委員7名は全て任命が終わりました。
私たち自治委員会は、これから山吹生の山吹生による山吹生のための様々なイベントなどを実現し、生徒自治を復権してまいります。
私たち自治委員会は、教員の傀儡政権と化した生徒会に代わり、古き良き山吹の自由、不登校児や高校中退生の救済機関としての山吹、主体的な山吹生の活動を全力で擁護・奪還するため、全力で活動していきます。

しかし自治委員が活動するだけでは、自由も自治もは勝ち取れません。私たちは校民の代表でしかありません。校民の皆様一人一人が、自分の権利を意識し、行使し、行動していくことが大事です。

遠慮せず、いえ遠慮は敵です。

自分の主張、企画、提案、ありとあらゆる議案を審議していきますので、どしどし意見を言ってください。どんどん議論をしていきましょう。
小さなところで物を言えなければ社会は変わりません。勇気を持って行動してください。勇気を持って声を上げてください。
ともに声を上げ行動していきましょう。

今年も自治委員会をなにとぞよろしくお願い申し上げます。