先月28日、本紙編集長の磯田航太郎氏が代理人弁護士を伴って、東京都立新宿山吹高校を訪問した。磯田氏らは磯田氏の担任教諭である五十嵐絵美教諭と会談を試みたが、五十嵐教諭は弁護士同席の話し合いについて自らの権限では決定できないとして、会談を拒否。またその後同校の延味道都副校長が磯田氏の代理人弁護士と協議したものの、新宿山吹高校当局側は磯田氏の代理人弁護士が同席する形での磯田氏との会談を拒否した。

磯田氏と磯田氏の代理人弁護士は今回の当局の対応を一般的常識からかけ離れたものであるとしつつも、弁護士の同席を強要することはできないことから、交渉決裂として同校から退去した。

磯田氏、記者会見で説明 履修登録が目的か

 磯田氏側は6日、記者会見を行い、本紙記者の質問に答えた。

記者―今回弁護士を帯同して訪問したのはなぜですか?
磯田「まず、現時点では私が単独で新宿山吹高校教職員と会談することは困難だからです。私が一人で学校に向かった場合、これまでの経緯もあり、何らかの恫喝、精神的圧迫などを受けたり、暴力や強要をふるわれる恐れがあり、身体及び精神の安全が保証されないからです。

私は臆病です。怒鳴られたり、威圧されたり、恫喝されたり、長時間取り囲まれたり、軟禁されるのは私にとって激しい精神的苦痛、身体的苦痛です。このようなことをされれば私は委縮し、何も言えなくなってしまいます。このような状況で私自身の主張を貫き通し、是是非非で交渉を行うことは困難です。」

記者―なぜ教職員と会談することで、恫喝、精神的圧迫、暴力や強要を受けると確信しているのですか?
磯田「これまで昨年6月・7月に私に対して行われた指導と称する、吊るし上げ、恫喝、監禁、精神的圧迫、これらにより私は精神的苦痛を受け、鬱状態になりました。友人の勧めもあり、精神科を受診しています。

現時点では当局側はこれまでの人権侵害行為について謝罪を行っておらず、また当方から送付した内容証明に対して誠意ある対応を行ってくれませんでした。

従って当局は私に対して行った人権侵害の数々を未だ反省しておらず、開き直っているということなのです。このような状況下では昨年6月・7月と同じような人権侵害が再度行われる恐れがあります。」

記者―つまり、今回の弁護士帯同は磯田さんの身体・精神的安全を確保するという自衛措置であったのですね?
磯田「はい。そういうことになります。」

記者―では、いっそのことこのまま不登校という形を取れば良いのではないかと思うのですが、なぜ今回敢えて教職員と対峙するという危険を冒したのですか?
磯田「現在、私への言論弾圧を批判する西高の大須賀君の文化祭でのビラ撒きや、一連の紛争の表面化により一般生徒の皆さんから心苦しいお気持ちが寄せられています。私自身そういった方々のお声を拝見すると胸が張り裂ける想いです。こういった背景もあり、なるべく迅速に、今年度中に当局と対話し、問題を解決し、正常化するべきだと考え、今回の行動を行いました。」

記者―当局が対話に応じない、というのは具体的にどういうことでしょうか?
磯田「私はこれまで内容証明や学校への電話を通じて、当局と対等な地位で紳士的に外交的対話を行おうとメッセージを出してまいりました。しかし当局はこれを一切黙殺し、特別指導を受けない場合は授業参加を認めないという私の学習権を侵害する発言を平然としたり、何ら解決に向けた努力を行いませんでした。こちらは譲歩に譲歩を重ね、対話で解決しようと粘り強く努力を重ねました。しかし当局は黙殺するばかり。非常に遺憾です。」

磯田氏 新宿山吹高校当局への声明文を発表

 また、同日磯田氏は本紙を通じて新宿山吹高校当局への声明文を発表した。

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生徒「新宿山吹高校当局の頑な姿勢が問題を長期化させている」

 一連の紛争について、新宿山吹高校定時制課程の生徒は「学園紛争は既にWikipediaの新宿山吹高校の記事にも記載されており、問題は大きくなる一方である。これまでの学校側の頑な姿勢が紛争を長期化させている。このままの状態が続くと私たちの学生生活や就職・進学に影響してしまう。学校側は一刻も早く事態正常化のために磯田氏の要求に応じ、対等な対話に応じるべきだ。」とコメントしており、学校側に強硬姿勢を改めるよう強く求めた。

(解説=磯田航太郎・本紙編集局)