23日、新宿山吹高校自治委員会が東京都立新宿山吹高校当局に対し要求書を送付していたことがわかった。

 新宿山吹高校自治委員会の報道発表によると、昨年5月23日に行われた自治委員会と学校長の首脳会談時に自治委員会が要求した事項を改めて要求したほか、新たに5か条の要求を行ったとのことだ。同自治委員会は学校当局に対し、1月30日17時10分までに要求書への回答を記した回答書を校民窓口まで持参して提出するよう求めている。

要求書の内容は…?
 要求書は「建設的な和平交渉・和平協定の締結」の要求から始まり、「校内における言論・表現・集会・結社の自由の保障」、「学校の民主的運営制度を確立すること」、「入試における内申点と当日試験の比率を20:3に戻すこと」や「全日化政策の即時中止」を要求している。

新たな要求「学校の民主化」5カ条
 今回の要求書で特筆すべきことは学校の民主的運営制度の確立を要求したことだ。要求書では「新宿山吹高校では校長の指揮監督の下,教職員は奴隷的隷属を余儀なくされており,校長による独裁体制となってしまっている。このような環境は民主主義社会である日本国の国民である校民の社会的な成長に大きな支障をきたすものであるとともに,校民の権利を著しく侵害しかねないものである。」としており、学校運営制度の民主化を主張した。

 自治委員会は要求書の中で具体的な民主的な学校運営制度として5項目を要求しており、「全校運営委員会の設立」、「職員会議での自由な発言・意見・採決の全面容認」、「企画調整会議・学校運営協議会の廃止」、「主幹教諭の校内制度上の廃止」を求めている。

 「全校運営委員会の設立」について、要求書は「学校の運営は学校長の専権・独裁を認めず,学校代表(学校長又は副校長)・教職員代表(主幹教諭除く)・校民代表(自治委員会議長兼会長)・保護者代表(山吹会会長)の4者により構成される『全校運営委員会』が民主的合議の下行っていく。」としており、「学校長は学校内における規則・規程の制定,在学生徒の入学・退学・休学の許可ならびに褒賞及び処分について,学校の予算及び決算会計に係る事項,学校内の担任や校内分掌の人事,その他学校の運営管理上の決定について,全校運営委員会に諮り,その同意を得てから実行すべき」と、破壊的な改革を要求している。

 そして「職員会議」については、「管理職以外が議長を務め,教職員による自由な発言・意見提起を認め,職員による挙手採決又は記名投票による採決を認めるべき」とした上で、「これまで設置してきた『企画調整会議』は教職員間の分断と階級化を招き,職員会議の形骸化,教職員の自由な発言権を封じ込めてしまい,学校の反動化を招くため,廃止し,職員会議にその権限・権能を返還すべき」と主張している。

 また、主幹教諭については「新宿山吹高校ではこれを認めず,主任教諭として扱うべき」とし、その理由として「そもそも正副校長以外の教職員に階級的な職階をつけることは,教職員間に序列意識と分断を招き,健全な教育環境を校民に提供できない」と主張している。

 要求書の全文は以下の通り。

2019年1月19日
東京都立新宿山吹高等学校長 梶山 隆 殿
新宿山吹高校自治委員会
議長兼会長 磯田航太郎

要 求 書

 新宿山吹高校自治委員会は,東京都立新宿山吹高校当局に対し,昨年5月23日に貴職との第1回首脳会談で要求した事項について回答が得られていないことに遺憾の意を表明し,同要求事項について改めて要求するとともに,次の各号に掲げる事項について新たに要求することをここに通知する。なお,本要求書に対する回答は別添の書式で記された文書で行うこと。


(1)建設的な和平交渉・和平協定の締結を要求する。

自治委員会と学校当局の間で和平に向け建設的な解決策を話し合い,和平協定を締結し,一連の高校紛争を解決することを要求する。

貴職は昨年5月以来,自治委員会と学校当局の間で行われた首脳会談の場において議論の論点とは異なる些末な点に執拗にこだわり,問題の解決を遅らせた。その上,藤田豊,滝口則次,濵田大介らによる公道上のビラ撒き活動妨害,無断写真撮影などの活動妨害を行わせた。これら学校当局の無法・不当な行いと不作為によって,新宿山吹高校における高校紛争は激化の一途を辿っているのだ。貴職は自らの管理監督不行き届きならびに不作為について痛感し,新宿山吹高校における学校当局と自治委員会の間の一連の紛争を解決するため,和平交渉に応じるべきである。


(2)校内における言論・表現・集会・結社の自由の保障を要求する。

校内における新宿山吹高校校民,又は校民で構成される任意団体の言論・表現・集会・結社活動の自由を保障せよ。校内において自治委員会をはじめとして新宿山吹高校校民の言論・表現・集会・結社の自由が保障されていないのは,校民の基本的人権・自由権の侵害であり,許容できない。速やかに校内における新宿山吹高校校民,又は校民で構成される任意団体の言論・表現・集会・結社活動の自由を保障せよ。


(3)学校の民主的運営制度を確立することを要求する。

新宿山吹高校では貴職の指揮監督の下,教職員は奴隷的隷属を余儀なくされており,校長による独裁体制となってしまっている。このような環境は民主主義社会である日本国の国民である校民の社会的な成長に大きな支障をきたすものであるとともに,校民の権利を著しく侵害しかねないものである。したがって自治委員会は学校当局に対し,学校の民主的運営制度の実施について要求する。

自治委員会が要求する,学校の民主的運営制度は次のようなものである。

・学校の運営は学校長の専権・独裁を認めず,学校代表(学校長又は副校長)・教職員代表(主幹教諭除く)・校民代表(自治委員会議長兼会長)・保護者代表(山吹会会長)の4者により構成される「全校運営委員会」が民主的合議の下行っていく。学校長は学校内における規則・規程の制定,在学生徒の入学・退学・休学の許可ならびに褒賞及び処分について,学校の予算及び決算会計に係る事項,学校内の担任や校内分掌の人事,その他学校の運営管理上の決定について,全校運営委員会に諮り,その同意を得てから実行すべきである。

・職員会議では,管理職以外が議長を務め,教職員による自由な発言・意見提起を認め,職員による挙手採決又は記名投票による採決を認めるべきである。又職員会議の議長は輪番制で一般の教職員が務めるべきである。そして,学校当局としての全校運営委員会への議案提案権は校長ではなく,職員会議が保持すべきである。

・これまで設置してきた「企画調整会議」は教職員間の分断と階級化を招き,職員会議の形骸化,教職員の自由な発言権を封じ込めてしまい,学校の反動化を招くため,廃止し,職員会議にその権限・権能を返還すべきである。

・これまで設置してきた「学校運営協議会」は学校の民主的運営のための組織でないことから解散し,全校運営委員会に移行する。

・主幹教諭の職位については,新宿山吹高校ではこれを認めず,主任教諭として扱うべきである。そもそも正副校長以外の教職員に階級的な職階をつけることは,教職員間に序列意識と分断を招き,健全な教育環境を校民に提供できない。したがって新宿山吹高校では主幹教諭の職階を持つ教職員については校内分掌の責任者に登用しない等の制限を加えるべきである。


(4)入試における内申点と当日の試験の比率を20:3に戻すことを要求する。

新宿山吹高校は元々中学で不登校だった生徒や高校を中退した生徒を受け入れる学校である。にもかかわらず,学校当局は都教委に抗うことを諦め,入試において当日試験と内申点の比率を20対3から7対3に改悪して不登校生や高校中退生が入りづらい学校にしてしまった。これは許し難い行為であり,新宿山吹高校設立の趣旨にも反するものである。学校当局は速やかに内申比率を20:3に戻せ。


(5)全日化政策の即時中止を要求する。

学校当局は入試制度の改悪とともに新宿山吹高校の校風や運営政策を大幅に改悪し,エリート学校から転落した生徒のみを救済したり,情報技術者を育成するための学校に改編しようとしている。具体的に言えば,これまで新宿山吹高校では授業への出席・遅刻・欠席をはじめとして、校内での諸活動は生徒個人の自己管理に委ねられてきた。しかし学校当局はこれまでの伝統的な消極的自由の校風をかなぐり捨て、「大学進学重視」の学校を目指し、「行事の参加や部活動への加入を奨励」「授業への遅刻をへらす指導を行う」「遅刻の扱いを再検討」「全時限校内巡回」「生徒に声をかけ授業への出席を促す」などなど生徒の自己管理文化を破壊する方針を推し進めている。このような生徒の自己管理文化を破壊するような全日化政策は直ちに中止せよ。


以上

(本紙編集局)