新宿山吹高校自治委員会の磯田航太郎自治長が、今年で学校を卒業する山吹生に向け、祝辞を伝える動画を公開した。この動画は現在、Twitter、Instagram、YouTubeで公開されている。

 祝辞の中で、磯田自治長は卒業生に対し、最初に「ご卒業おめでとうございます」とお祝いの言葉を伝え、新型コロナウイルスの影響で自身が卒業式に出席できなかった代わりに、動画で祝辞の言葉を伝えたい旨を述べた。

 磯田自治長はこれに続けて、新宿山吹高校は挫折を経験したり傷ついた人が入学する学校だということに触れ、卒業生は山吹の自由な校風の中で多くの思い出を作り、挫折したり傷ついた自分を再建することができたと述べた。その後、磯田自治長はこのことを「新たな人生でも大いに役立つ経験」と語っている。

 最後に磯田自治長は、今後卒業生の後を継ぐ立場として、自治委員会が山吹の自由な校風をこれから守っていく旨を伝え、再度お祝いの言葉を述べ、祝辞を締めくくった。

自治委、今後は動画での広報を重視?

 自治委員会関係者の話によると、今後、自治委員会ではこのような動画による情報発信を強めていく可能性が高いとのことだ。

 この関係者は本紙に対し、「昨今はコロナウイルスの影響で学校が1ヶ月近くも休業になり、各種行事も規模縮小や中止に追い込まれている。この状況下において、校民同士の繋がりが薄い新宿山吹高校では、校民が必要な情報を得ることが難しくなっている。これを受け、自治委員会では、簡単に見ることができる動画というメディアを使い、手軽な情報発信に向けた取り組みを進めている」と語っている。

磯田自治長による祝辞の全文

 磯田自治長が動画内で述べていた祝辞の全文は以下の通り。
こんにちは。新宿山吹高校自治委員会の磯田航太郎です。
今日は卒業式ですね。山吹を卒業される皆さん、ご卒業おめでとうございます。
さて、今年は残念ながら、新型肺炎の流行による卒業式の規模縮小により、卒業式は卒業生と教職員のみの立ち会いで行われることとなりました。
このため、私は直接皆さんの卒業をお祝いすることができませんでしたが、今、この動画において、自治委員会の自治長として、祝辞の言葉を述べさせて頂きたいと思います。

新宿山吹高校は、これまでに様々な挫折を経験したり、辛い経験をされ、傷ついた方が多く入学する学校です。皆さんの中にも、そういった方が大勢いらっしゃると思います。
しかし、山吹は極めて自由な校風であり、他の学校のような人間関係のしがらみや、授業・行事への強制参加もありません。
皆さんは、そんな山吹の中で、たくさんの思い出を作り、心の傷を癒やし、自分を建て直すことができたと思います。
皆さんは、卒業したら大学生、専門学生、はたまた社会人になり、人生の新たなステージへと踏み出すことだと思います。
皆さんがこれまでに傷ついたり挫折し、山吹で自分を再建したことは、新たな人生でも大いに役立つ経験だと思います。

自治委員会は、これから皆さんの後を継ぐ立場として、皆さんの後輩のために、山吹の自由な校風を守っていきます。
最後に改めまして、皆さんご卒業おめでとうございます。
磯田より。