都立新宿山吹高校で休校中の学習支援として「Classi」が導入されたが、都立高校で唯一の情報科を設置している我が校では校民から不安の声が上がっている。

 新宿山吹高校では臨時休校が長期化していることを踏まえ、8日、ベネッセとソフトバンクの合弁企業が運営しているオンライン学習支援クラウド「Classi」の導入を発表。家庭学習を補完する目的での導入だという。

 しかし先月5日に情報漏洩を、先月と今月アクセス障害を起こすなど「Classi」のオンライン学習での活用に全国の校民から不安・憤りの声が上がっている。

 ある校民は自治委員会に対し、「情報漏洩やアクセス障害などサービスの安全性や安定性に懸念がある。」と意見を提出し、自治委員会側の見解を質した。また、意見の中で校民は「山吹高校当局や東京都教育庁がベネッセに無断で生徒の個人情報を提供し、事前に校民の了解を得ずアカウントの作成、HPで一方的にClassi導入を公表したことは簡潔に言って非常によろしくない。」と述べているといい、情報科教員出身で教育のICT化に尽力した永浜裕之校長の決断に早速校民から注文がついた形だ。

 これを受け、新宿山吹高校自治委員会は、校民からの不安の声を背景に学校当局への要求事項に「Classi」の導入撤回を求めることも視野に検討を開始した。

 自治委員会の磯田航太郎自治長は「学校当局も山吹生の学習機会を保障するために、一生懸命やれることをやっていこうと努力している。その点は一校民として感謝申し上げたい。しかし情報流出やアクセス障害で校民が安心して使えないツールの導入は困る。校民の意見をよく聞いたうえで、方針を固めたい。」と発言し、「Classi」の導入撤回を求める可能性も含め、総合的な検討に入っていることを認めた。

(本紙編集局)