東京都立新宿山吹高等学校定時制課程の2018年度入学試験の志願者数が前年に比べ55人減少していることがわかった。
15日に発表された東京都教育委員会のプレスリリース(リンク)によると、2017年度入試の志願者数(1学年相当)が普通科194人、情報科69人の計263人だったのに対し、2018年度入試の志願者数(同)は普通科145人、情報科63人の計208人となり、前年比55人の減少となった。倍率も2017年度が普通科1.94倍、情報科が1.50倍、全体で1.80倍だったのに対し、2018年度は普通科1.45倍、情報科1.37倍、全体で1.42倍と大幅に低下した(いずれも1学年相当)。
過去5年で最低の倍率
2018年度の入試倍率・志願者数は過去5年間で最低水準であり、内申比率が改定された2016年度以前と比較しても低い。例えば2013年度に比べても18人、2014年度に比べても17人減少している。
2018年度入試の志願者数が減少した背景には、今年度発生した学園紛争が影響しているのではないかと指摘する声が上がっている。
東京都生徒自治支援センターの平松けんじ所長は、一連の学園紛争が表面化し、そのことによって入学希望者が新宿山吹高校の管理主義的・権威主義的学校経営に失望を感じた結果、志願者数が減少したのではないかと指摘した。
平松氏の論評は以下の通り。
「2017年末にネット上に公開された教職員による恫喝音声や、学校側の言論弾圧を批判したビラが大きく影響したのは間違いない。新宿山吹高校は教員が生徒の活動に干渉しない不干渉を校風としており、小中学校で不登校だったり、高校中退した者の受け皿的存在だった。しかし今回新宿山吹高校側が磯田航太郎編集長に対して恫喝まがいの指導を行ったり、言論・表現の自由を侵害する行為を行ったこと、そしてこれら権威主義的・管理主義的行動が白日の下にさらされた結果、新宿山吹高校に対する入学検討者の失望を買い、入試志願者数が減少したのではないか。」
SPH指定も志願者増には繋がらず
今回、文部科学省からSPHに指定された情報科の志願者数も前年比で6人減少しており、SPH指定による志願者増どころかむしろ減少してしまった。
SPHとは「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」の略で、特定分野の教育において先進的なSPHとは「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」の略で、特定分野の教育において先進的な卓越した取組を行う専門高校を指定して実践研究を行うものだ。文部科学省により平成26年度から実施されており、毎年50校前後の高校が応募しているが、実際に指定されるのは毎年10校しかない狭き門である。
新宿山吹高校当局は同校がSPHに指定されたのを受け、「多様な未来に対応する情報技術者の育成」を標榜し、IT企業の社員や大学教授を招聘した講演会、パネルディスカッション、教員を対象にしたデザイン知識の研修など、様々な活動を行っていた。
今回SPH指定のメリットより、管理主義・権威主義的学校経営体制のデメリットがより強く、入学希望者の進路決定に影響を及ぼしたと言えるだろう。
学園紛争を平和的対話で解決することこそ、正常化への道
今回、一連の学園紛争で実際に入学志願者数が減少するという結果になった。昨年12月16日の文化祭「山吹祭」の際に学校側の言論弾圧を批判するビラが撒かれたことを報じたが、その後新宿山吹高校当局は本紙編集長・磯田航太郎と真摯に対話する姿勢を見せなかった。この不作為の結果、事態は膠着し、このような実害が出るに至ったと考えるべきだろう。
これ以上学園紛争が継続しても誰も得をしないのは明白だ。学校当局は今こそ対等な目線で紳士的に、平和的な対話で学園紛争の解決に踏み出すべきではないだろうか。それこそが新宿山吹高校の「正常化」に向けた一歩につながることだろう。
(取材・文=磯田航太郎)


