皆さん、ご入学おめでとうございます。学校説明会や前評判から薄々気が付いている方も多いかもしれないが、新宿山吹高校は他に類を見ない位の特殊な学校である。私自身も入学する前から色々と調べたりはしていたが、入ってみてから初めて知ったこともあるのでそれを含めて紹介していこうと思う。
新宿山吹高校の沿革
まずは、特殊な学校である新宿山吹高校が設立されるに至るまでのあれこれ、「山吹史」(笑)を一緒に学んでいくとしよう。
あれは今から36万・・・いや、27年前の出来事。1991(H3)年4月1日、都立高校初の昼夜間定時制・無学年制の高校として、赤城台高校(後の都立国際高校)という別の都立高校の跡地に新宿山吹高校が開校した。従来の定時制といえば、昼間に全日制の生徒が下校した後、夜間に学びに来るというスタイルが一般的だった。そんな中、昼間でも学べる定時制を実現させたのが新宿山吹高校である。時間割を自由に組むことができるため、定時制といえども全日制のようなスタイルで授業を受けることも可能であるし、午後から夜まで授業を受けることも可能だ。この、「自分で時間割を作るタイプの単位制」こそが新宿山吹高校の最大の特色なのである。夜間定時制や旧来からの単位制高校でも、時間割そのものは始めから組まれており、その通りに授業を受けるのが普通で、自由に時間割を組める高校は、事実上新宿山吹高校が初なのである。
「校則イコール日本国憲法」と比喩される位に自由なことも相まって、新宿山吹高校は高校というより大学に近い学校で、自由なのは服装や頭髪だけではない。3年で卒業する義務もないのである。上述の通り無学年制を採用している新宿山吹高校は、最大6年間在籍することが可能で、例えば、授業を1~4限まで入れて、4年で卒業ということもできる。留年という概念もなく、同じ年度に入学しても卒業する年度が人によってバラバラなので、校内で先生が「○年生」と呼んでいるのを耳にしたことがない。というより、誰が何年目か先生も生徒も把握しきれていないと思う(笑)。
今までになかった要素を多く取り入れ、半ば実験的な意味を持っていた新宿山吹高校だったが、最近ではその目玉の自由な校風が失われつつあるのも実情だ。例えば、私の友人は欠時数が多すぎることを担任の教員に注意されたり、授業をサボってラウンジでカード・ゲームに興じているところを教員に授業参加を促されたりしている。また、副校長らがラウンジにいる生徒に対して授業への参加を呼び掛けるなど、教員が生徒を管理する普通の全日制高校と変わらない構図が生まれつつある。
最後に、これはとある方から伺った話なのだが、新宿山吹高校のようなスタイルは西洋、特にアメリカでは寧ろ一般的であるようで、全員で同じ授業を受けて全員で行事を催す等は無く、基本私服登校で新宿山吹高校にとても似ているそうだ。全日制と定時制どちらが良いのかは個人の考えによるので、個人に合った選択をしていくことが大切だ。
行事は自由参加が基本です
新宿山吹高校の行事は全日制の高校に比べれば規模が小さいのだが、それなりに数があるのでそれぞれ紹介する。
自治委員会主催の新入生向け交流行事。明るい無縁社会と言われる新宿山吹高校で友人関係を構築していくのは結構大変だ。このため、自治委員会が新入生間・在校生も含めた包括的な友人関係構築支援、交流促進の目的で主催している行事だ。公園などの桜を鑑賞しながら、交流を深めていく。参加の申し込みは自治委員会文化教育課まで。
まず、入学して間もない頃にウォークラリーというオリエンテーション行事がある。主に山吹周辺を班で歩き回り、生徒同士の親睦を深めるとともに災害時の避難経路の確認も兼ねた行事だ。実際、私はこのウォークラリーが初めてクラスメートと話すきっかけとなった。
ちなみに前編集局長曰く、山吹は「明るい無縁社会」なので、あまりクラスメイトと交流する機会がない。高校デビューしたい人は積極的に人脈開拓をすることをお勧めする。
そして夏休み前には生徒会主催で球技大会が開催される。尚、新宿山吹高校では球技大会はあっても体育祭はない。そのため、球技大会が唯一のスポーツ行事だ。球技大会では、ドッジボールやバレーボール等を行うそうでだが、私は球技が苦手なので参加しなかった。しかし、それもまた新宿山吹高校のいいところで、すべての行事が自由参加制のため、参加しない人も割といるのだ。行事に興味のない方でも決して浮くことがないのでご安心を。
夏休み期間中には相談室主催の「サマーキャンプ」がある。サマーキャンプは2泊3日で神奈川県の相模湖周辺でキャンプなどを行う行事で、この行事は、後述の修学旅行と並んで特に高校生らしい行事と言えるだろう。
散策については、昨年度は鎌倉近辺、一昨年度はみなとみらい近辺だった。演劇だけは申込期限が早いため、注意が必要だ。
なお、遠足は授業ではないので参加しなくても全く無問題だ。家でゆっくりしたい人はその自由を尊重される、山吹らしい行事のスタイルだ。
新宿山吹高校では他の学校よりも遅い、12月の冬休み前に学園祭が催される。これを「山吹祭」と呼ぶ。後期中間テストの直後に山吹祭のため、参加する場合、この時期とても忙しくなるだろう。
クラス単位の模擬店・部活や同好会単位の模擬店・学術発表・出し物・パフォーマンス・創作物配布や展示等、実に多種多様である。私は同志で立ち上げた同好会のメンバーとして参加したのだが、やはり楽しい。当然準備は忙しいのだが、その分やりがいがあるものだ。このように、クラスだけでなく複数人単位で参加することも可能である。ちなみに、例年の山吹祭の外部来場者数は、およそ1000名程だ。昨年は、学校前で本紙弾圧に抗議するビラが撒かれるなどの混乱も起きている。
覚えておこう山吹の履修システム
新宿山吹高校は自由に時間割を組めると述べたが、卒業までに必ず履修する必要がある科目「必履修科目」がある。履修登録の手引きに記載されている科目がそれにあたるのだが、なるべく早い内に履修しておくことを個人的にお勧めする。
というのも、卒業の年度に必履修科目を一通り終えていると、何かと融通が利くのだ。例えば、講義をすべて午前中に取ったり、定期試験の負荷を減らすために体育や芸術科目を多く取ったりすることができる。時間を多く捻出し、その時間を受験勉強や公務員試験や就職試験対策に利用するという過ごし方が可能になるのだ。あくまで、私の履修方法なのであしからず。ここで、新宿山吹高校に入学すると頻繁に耳にする専門用語の説明をする。
欠時と遅刻
欠時というのは、いわば欠席した時間数のことで、欠時の上限は1週間あたりの授業数によって異なる。例えば週4時間(週二回)の授業の場合、年間で32時間が欠時の上限だ。1週間あたりの授業時間数×8=欠時の上限時間数と考えておくといい。この欠時の上限を超えて欠席してしまうと、単位を落としてしまう。
ちなみに本紙の前編集局長などは、欠時を有給休暇のごとく毎回上限まで使い切るが、これは極めて危険な綱渡りを余儀なくされるので避けよう。実際、前期に32欠を出した結果、後期1回も休めなくなったという実例がある。欠時は計画的に使い、かつ単位を取ることが賢い山吹生のやり方だ。
平成28年2月現在、授業開始から15分以内の遅れが遅刻となり、評価に影響したりする。しかしながら遅刻は欠時数には含まれないので、極端な話毎回遅刻でも単位を取ることができる。但し評価は下がる(笑)。もし推薦での進学などを考えている人は極力皆勤賞を目指した方が良い。
なお前編集局長の入学当初(2011年当時)は、「授業開始後20分までが遅刻、遅刻3回で1回の欠席」という取扱がなされていたが、都教委による指導で本制度は廃止となった。
半期認定
半期認定は、その授業の半年分の単位を取ることをいい、例えば、1年で4単位分の授業を行う講座の場合、半年間授業に出て半期認定の申請をすれば2単位を取れるといった具合だ。仮に欠時数が上限を超えてしまった場合も、前期または後期の欠時数が年間の上限欠時数の半分以下である場合は自動的に半期分の単位を取ることができる。
但し注意してほしいのは、保健α・βは半期認定を行わないということだ。保健は、1年間で1単位分の授業を行う講座のため、半年間なら0.5単位になってしまうからだ。
山吹病、何それ?
山吹病とは、段々遅刻が多くなったり、学校に来なくなる輩が多い事から名付けられたものだ。山吹では基本的に遅刻しようが欠席しようが教員に咎められる事はない。それ故自己管理の徹底が求められる。しかし自己管理を放棄してしまう輩が多数出てくる。皆さんサボりは程々にね。賢く休んで賢く単位を取ろう。

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